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海洋温度差発電

 
海の水の温度は、海面と深海とではかなり違います。この温度差を利用して発電を行う仕組みを海洋温度差発電(Ocean Thermal Energy Conversion。OTEC)といいます。

深海(水深1kmくらい)から冷水を海面まで汲み上げ、周囲の海面の温かい水の間で熱が移動する際にエネルギーを取り出して発電します。

沸点の低い液体(媒体)を海面の温水で気化させ、それでタービンをまわしたあと、深海の冷水で媒体を液体に戻し、再度気化させるという、クローズド・サイクルとよばれる仕組みと、海面の温水自体を低圧環境で沸騰させてタービンをまわすオープン・サイクルとよばれる仕組み、さらにそのハイブリッドの仕組みなどがあります。

<佐賀大学理工学部のクローズド・サイクル>

佐賀大学理工学部海洋温度差発電

もし、実用化されれば、理論上は他の再生可能エネルギーよりケタが違う発電量を確保でき、人類のエネルギー問題をほぼ解決するといわれている発電方法です。太陽光発電や風力発電のような供給の不安定さもありません。

あまり聞いた事がないし、そんなことができるのかと思ってしまいますが、実は海洋温度差発電は19世紀後半から研究開発がはじまっています。1974年にアメリカがハワイのコナコーストに「ハワイ州立自然エネルギー研究所」 (NELHA) を設立し、現在でもこの研究所が世界のOTECをリードしています。

日本では、佐賀大学の海洋エネルギー研究センターの30kw級実験プラントが佐賀県の伊万里で稼働しています。また、沖縄県・久米島にある海洋深層水研究所に2013年初頭に100kw級の発電プラントを設置して、商用化を視野に入れた実証試験を開始すると公表されています。

以上からわかるかと思いますが、現状ではまだ海洋温度差発電は実用レベルにはなく実験段階で、発電規模も小さいです。

ただ、数十メガワット規模の海洋温度差発電プラントの建設が既に海外で何件か計画されており、注目したいと思います(中国・海南島のリゾート施設向け10MW発電プラント、インド洋・ディエゴガルシア島にあるアメリカ合衆国海軍基地向け8MW発電プラント等)。


海洋温度差発電のため組み上げられた深層水は、ミネラル塩の製造やミネラルウォーターの生産、リチウム等のレアメタルの採取といった副次的な利用も期待されています。




 

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